使う「木」の選び方。

家の基本と言えば、やはり材木です。
昔、輸入などしていなかった時代の日本の家は、その土地にあるものを使って建てられていました。材料の木も地元の木を使い、地元の草を使ってきたのです。

今回は、「使う「木」の選び方。」について、お話しします。

当然、木にもいろいろな種類があり、その使い方も長い歴史の中で決められてきました。長い歴史は長い実験と同じことで、その貴重な実験結果に基づいて土台には桧(ヒノキ)やヒバ、柱にスギやひのき、梁や床板はマツ、また障子・襖には紙、畳にはイグサ、更に土壁と漆喰(しっくい)を使っていました。

構造材には虫やカビに強いもの、残りは虫には弱くとも人体に良いものを使うという考え方で、見事にバランスが取れています。
現在のように「健康住宅」と謳いながら、内装のすべてを杉板張りにしているようなアンバランスな家はほとんどなかったのです。

檜、桧(ひのき)林_無垢_柱に最適_コロナ

その理由は二つあります。

一つはスギやヒノキの弱い毒は、少しなら鎮静効果もあるのですが、多量になれば身体に良くないことがあります。
もう一つは、スギやヒノキは抗菌力があるので、食物が発酵できません。良い菌は漆喰につくので、しっくいを多用してスギやヒノキなどの木を少なくしたのです。

このように日本では、古くから人々の生活と住まいの絶妙なバランスを継承してきたのですが、戦後のアメリカからの文化の押し付けで、その良き伝統がすっかり消えてしまいました。

基本的に虫の多い地域に生えている木は、虫に強いことが証明されています。虫の多い熱帯に生える木は、虫から自分を守る技を備えていますが、その反対に北方系の木は虫に弱いのが特徴です。敵が少ないので防衛能力が低いわけです。アメリカ北部やカナダのトガなどはその代表で、シロアリの大好物です。

虫に対して防御するために、木が出している毒の種類も色々です。木の中に毒を含むもの(食べると毒)、木を切るなどして傷つけるとその切り口から毒が揮発して虫やキノコの侵入を防ぐもの、などがあります。


ちょっと木の話_抗菌・殺菌作用
傷を付けると揮発性の物質が出るものには大まかに2種類あります。
一つはスギやヒノキ、ヒバなどから出てくるαピネン類です。これは揮発性の油分(シンナーなどと似ている)で、弱い殺虫性があるので、虫たちを寄せ付けないのです。

またαピネン類は化学殺虫剤の参考物質となっていて、少量であれば人体に影響がないのですが、多すぎると問題になると思います。

もう一つの揮発性物質を出すものは、傷つけると酢酸(酢)を出す木で、その代表的なものがナラ(オーク)やクヌギです。カブトムシがこれらの木の汁を吸っているところに行くと、酸っぱい匂いがします。

その酸っぱい酢酸(酢)を出す熱帯の木が、シンゴン(無添加住宅の床板や建具の材料)です。この種の揮発性物質は「酢」ですので安心。この木を内装に使うことによって、化学物質過敏症(CS)の人やシックハウスの人も安心して住めるというわけです。(引用:完全無添加住宅の作り方)
カブトムシが集まる木は、やさしい木_オーク_クヌギ_シンゴン

いかがでしたか。
今回は、「使う「木」の選び方。」について、お話ししました。

無垢といっても、木の種類によって特徴があり、何でもかんでもムクだから良いというものではないのです。
適材適所で使う木を選び分けて、居心地のいい快適な家を建ててくださいね。